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古民家が未来の古民家となるために

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伝統構法の古民家は、現代住宅の在来工法の建物と全く違う工法なので、耐震診断も自ずと違います。その違いを、ほとんどの設計士は分かっていません。在来工法は筋交いや耐震壁などで固めて耐震壁として固めてしまう工法に対して、古民家は、地震の国ならではの日本の長い歴史から育て上げられた伝統構法で、大断面の木材を複雑に組み合わせて造られた、筋交いや耐震壁を使うことなく、言わば免震的な柔構造の建物なのです。その為、現行法の耐震診断では正確な診断は出来ません。
伝統構法の建物は、震度計を使って実際の建物が地盤の揺れをどのように受けているかを計測して、診断をする方法でなければ診断できないのです。
この度、設計士と行政の理解の元、古民家を利用した施設のリノベーションで実現することがで来ました。改修前の診断では危険な状態だったのが、改修後の診断の解析結果は数日後に報告させていただきますが、計測中の状態を見る限り、古民家としての機能は残された伝統構法が活かされた改修工事となっていたようでした。もちろん、筋交いなどは全く使っていません。
古民家が未来の古民家となる瞬間でした。